田尻宗昭が暴いた石原産業事件がブラックすぎる!今こそ正義の人の遺志を継ぐです

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「四日市ぜんそく」という公害病を社会の授業で習った覚えがあります。

高度経済成長期に起きた公害により「四日市ぜんそく」や「水俣病」「イタイイタイ病」といった公害問題が全国で起きました。

その公害問題に尽力した田尻宗昭さんを、10月1日放送の「奇跡体験!アンビリバボー」で取り上げるそうです。

巨大企業とそのバックにあるとんでもなく大きな組織に、正義という盾だけで挑んだ田尻宗昭さん。その石原産業事件はどんなものだったのでしょうか。

 

田尻宗昭とはどういう人物か?

田尻宗昭(たじり むねあき)さんは、日本で初めて公害事件の刑事責任を追及し「公害Gメン」と呼ばれた公務員です。

1928年2月21日に福岡市に生まれ、1990年に亡くなられています。

 

静岡にある、官立高等商船学校航海科を卒業し、門司海員養成所の教官を務めた田尻さん。

その後、海上保安庁に入り、1968年、四日市海上保安部警備救難課長に就任しました。

この四日市での在職中の三年間、石原産業四日市工場などの工場排水が垂れ流されていることを摘発。

日本の公害事件で初めて刑事責任を追及、行政と産業界の癒着にメスを入れました。

1973年には、美濃部亮吉都知事の要請で、東京都公害局(現環境局)規制部長に就任

ここでも、その厳しい眼で、日本化学工場跡地などの不正を明るみにし、住民と労災被害者の救済に尽力。その一方で、全国各地の公害・大規模開発反対運動と精力的に交流・支援に尽力されました。

 

石原産業はどんな会社なのか

石原産業は、大阪市西区に本社のある大手化学メーカーです。

創業者は石原広一郎氏。

1920年、南洋での鉱山開発を目的とした会社を大阪に設立したのが始まりと言われています。

主力製品は二酸化チタン。そのシェアは日本国内では1位(2003年度)。

ちなみに、二酸化チタンは、塗料や絵具に使われているほか、日焼け止めにも入っている物質です。

石原産業の収益の中心は農薬事業。

現在は、世界中で自社開発の農薬も販売しており、近年では医薬品分野にも事業展開しています。

 

石原産業事件とは!?

その石原産業が四日市ぜんそくの被告6企業のうちの一社で有罪となり、四日市ぜんそくが問題化していた1969年には四日市港に強酸性溶液を垂れ流していたというのが「石原産業事件」です。

田尻宗昭さんは当時、海上保安庁四日市支部に警備救難係長として赴任しており、漁師たちの密漁を取り締まっていました。

しかし逮捕した漁師から

「自分たちが密漁するのは工場が魚を殺したからだ」

と訴えられ、海を汚す企業の摘発に乗り出します。

摘発するには確固たる証拠が必要です。

そこで産業廃棄物を投棄する現場を押さえ、工場の抜き打ち検査を行うなど奔走します。

そんなある日、田尻宗昭さんのもとに

「1日に20万トン以上の硫酸水を海に流している企業がある」

と匿名の電話がありました。

その企業こそが、石原産業だったのです。

石原産業は地元でも絶大な影響力を持ち、政界にも影響力を持つ企業。

通産省との癒着もあり、1968年に増設した工場が無届でつくられていながらも、通産省がごまかすための書類を作成し協力していたほどです。

そうした政界との癒着も暴き、追及し、ようやく港則違反、水産資源保護法違反および工場排水規制法の無届操業をもって石原産業は起訴され、ここに全国で初めての公害刑事裁判が始まりました。

石原産業は8年におよぶ裁判で敗訴、一審で有罪が確定しました。

これで企業の在り方を改めてくれればよかったのですが、

2005年には「フェロシルトの大量不法投棄
2008年には社内調査により数件の不正

が、それぞれ発覚しています。

自社が犯した問題の重大さを理解しているんでしょうか?

 

正義の人の遺志を継ごう!

田尻さんが無くなった後、その香典を元手に「田尻宗昭記念基金」が設けられました。

1992~2007年の16年間では、

「環境および労働安全衛生をはじめとした様々な分野で、社会的不正義をなくすために熱意ある取り組みをされている個人・団体(国籍不問)」

に対して毎年「田尻賞」が贈られています。

近年では、田尻さんが不正を暴いた50年ほど前のような公害問題は起きていませんが、人の手で自然が壊されている状況は、やはりまだ続いています。

地震や大雨などの自然の猛威を私たちに止める手段はないものの、人間が自然を守る努力をすることは可能です。

自然と共存しつつ生きていかなければならないことを、今の私たちは痛感しているはず。

田尻さんの遺した思いを継いで、もちろん正義は貫かなければならないし、自然との共存の正しい道を私たちは歩むべきだ、そう感じています。

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