ホテルニュージャパン火災の原因!跡地利用にも尾を引いた最悪の火災の全貌

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今から33年前、史上例を見ない火災が東京・赤坂のホテルニュージャパンで発生したことをご存知ですか?

日本の中枢とも言える永田町のすぐ近くで起きた大火災。

火災の2日後には営業禁止、その後14年もの間焼け跡のまま放置という事態となったホテルニュージャパン。

今回はホテルニュージャパンの火災の原因や放置されていた跡地のことなどを調べてみました。

 

ホテルニュージャパンの歴史

ホテルの敷地は二・二六事件の際に部隊が立ち寄った日本料亭「幸楽」の跡地です。

しかし戦時中「幸楽」は、撃ち落とされたB-29の直撃に会い、全焼しています。

その後、自民党の政治家・藤山愛一郎氏率いる藤山コンツェルンが設立母体となり、1960年にホテルとして開業。

1964年に開催された東京オリンピックを目前にした開業ということで、第一次ホテルブームの先駆けとなったようです。

その後、買収王として名高い横井英樹氏がこのホテルを買収。

横井英樹氏は自ら社長に就任し、徹底的な合理化を図ったのです。

しかし、1982年、ホテルニュージャパンに火災が発生。

営業禁止処分を受け、その後廃業に追い込まれてしまいました。

 

ホテルニュージャパン火災の原因

1982年2月8日に起きたホテルニュージャパンの火災は、午前3時24分に発生しました。

9階の1室に飛び込みで宿泊していたイギリス人ビジネスマンの部屋が出火元。出火の原因は寝タバコの不始末でした

偶然にも火元である9階をフロント係が通りかかり、廊下にたちこめる白煙に気付いたのだとか。

しかし、すぐに火元の部屋の宿泊客の安否を確かめたり火災報知器を鳴らすなりすればいいものを、フロント係はフロントにわざわざ戻り、同僚を連れて消火にあたるという無駄な作業に時間を費やしていました。

その間にも火は燃え広がり、消防が到着した3時44分には9階の客室の窓から火柱が立ち、10階も炎に炙られている状態に。

そもそも消防法の法改正により、高層建築物はスプリンクラーの設置を義務付けられています。

なのにホテルからは火柱が立ち、ホテル内に取り残された宿泊客を救助しようにも非常階段の扉は、熱でゆがんで開かない。

消防隊員は屋上から救助を余儀なくされ、消防総監直々の指揮の元、23区全域の消防車128台の出動、応援部隊の出動、負傷者への対応という大震災が起きた時並みの指令が発令されていたそうです。

その甲斐もあり、史上例をみないほど救助率が高かったといいますが、それでも33名が亡くなり、34名が負傷しました。

最終的には7階から10階までを焼き尽くし、消火には9時間もかかりました。

なぜここまでの大火災になってしまったのか…。その答えは、安全面を軽視していたからです

鉄筋で建てられているはずが、ホテルの各部屋を仕切る壁はブロック塀をベニヤ板で張り合わせたもの。

スプリンクラーは飾り。

火災報知器はスイッチが切られ、防災放送盤は配線が焼けていて使い物にならない状態でした。

直接的な原因は寝タバコでも、火災を余計に広げてしまえる環境をつくったホテル側にも原因はあると思います。

しかし社長である横井氏は、人命救助よりホテル内にあった高級家具の運び出しを優先させたとか。

さらに火災現場では

「本日は早朝よりお集まりいただきありがとうございます」

「(被害が)9、10階で済んだのは不幸中の幸いでした」

などと状況を考慮しない発言を行い、寝タバコをしたイギリス人に全責任を転嫁するなど、国民の非難を呼びました。

この火災から11年後の1993年、横井氏は業務上過失致死傷で禁固3年の判決を受けることになります。

 

ホテルニュージャパンの跡地

火災後、横井英樹氏に多額の貸付をしていた千代田生命保険が、貸付金の担保であったホテルニュージャパンを競売にかけようとしました。

しかし、いわく付きの土地を購入しようとする投資家はおらず、千代田生命が自ら敷地を所有することに。

都心部でも格段にいい好立地ながら、廃墟のまま放置され続けること14年。ようやく1996年に建物が解体されます。

跡地は千代田生命が再開発に着手したものの、2000年10月に経営破綻。

プルデンシャル生命が土地と共に建設途中のビルを買収しました。

森ビルと共同で建設を進め、外国人向け高級マンションとオフィスの入ったタワーが2002年12月に完成。プルデンシャルタワーとしてオープンしました。

 

ホテルニュージャパンに見る教訓

現在のプルデンシャルタワーについては、もちろん防災対策は万全だと思いますが、ホテルニュージャパンの火災は教訓として記憶に留めていきたいもの。

昨今、日本を襲う地震や洪水など、予期せぬ自然災害にも備えは必要ですが、いくら自分が注意しても巻き込まれてしまう人災もあります。

その時にどうやって命を守るか。日ごろからできる対策は可能な限り講じておくべきですね。

何より優先すべきは人の命。その命を守るためにも、日々の備えが必要です。

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