ナイジェリア航空2120便墜落事故 メッカから巡礼帰りのイスラム教徒を襲った悲劇

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1991年7月に起きた「ナイジェリア航空2120便墜落事故」を覚えていますか?

世界の航空事故ワースト20にも入っているこの「ナイジェリア航空2120便墜落事故」。

聖地メッカからの巡礼帰りの人々を襲った悲劇の原因は、あまりにもお粗末な人災でした。

 

ナイジェリア航空2120便墜落事故 概要

ナイジェリア航空2120便墜落事故は1991年7月11日、サウジアラビア第2の都市・ジッダで発生した航空事故です。

事故を起こした飛行機はノリスエア(カナダ)の所有のもので、普段はネーションエアが使用していました。

ジッダはイスラム教の聖地・メッカ近郊の都市です。

事故当時、この飛行機はナイジェリア航空に乗員ごと貸し出されていて、メッカでの巡礼から帰るイスラム教徒247人とネーションエアの乗務員14人を載せていました。

2120便はジッダのキング・アブドゥルアズィーズ国際空港を離陸。

しかし、離陸をしようと滑走している最中に異音が発生します。

ですが離陸決心速度を超えていたため、そのまま離陸。

離陸直後にランディングギアを格納しますが、その直後、与圧システムに異常が発生します。

空港に引き返そうとしますが、管制側は管制官のミスにより2120便の空港までの誘導に手間取っていました。

火災が発生した機内では、油圧系統やエアブレーキの損傷により操縦も困難となり、同時に機体が空中分解し始めていました。

パイロットがなんとか滑走路を視認し、緊急着陸を試みますが、滑走路の手前で墜落。

機体は大爆発を起こし、搭乗していた261人全員が死亡しました。

 

ナイジェリア航空2120便墜落事故 事故原因

事故原因は左主脚のタイヤが破裂したことによる火災でした。

事故の4日前、左主脚の2番タイヤの空気圧が不足していることが判明。

主任整備士が整備しようとしたものの、タイヤに入れる窒素を手配できなかったのだと言います。

機体の安全運航より、定時出発を優先させたネーションエアのマネージャーが出発を許可し、2人とも2120便に搭乗しました。

ちなみにタイヤに空気ではなく窒素を入れるのは、窒素は引火しにくい機体だから。安全性を考えて、使用されていたのです。

空気圧が不足していたことに加え、乗客と荷物が満載という状態で離陸を敢行した結果、タイヤはバースト、摩擦熱でゴム片が発火、格納されたランディングギアを火種として油圧装置や電気系統などが次々に焼け落ち、とうとう中央燃料タンクの隔壁も焼けて燃料が漏れだしました。

さらに格納部の天井にあった客室の床も火災で脆くなり、緊急着陸をするために主脚を出したことで機体はちりぢりばらばらに。

乗客の一部は座席ごと2000mの高さから放り出されたと言います。

また主脚を出した途端、機内に大量の酸素が流れ込んだため燃料に燃え移った炎が勢いを増し、一瞬で機体は炎上、そのまま大地に激突、爆発しました。

また管制官が誘導に手間取った原因は、偶然空港の南にいたサウジアラビア航空の旅客機も緊急事態を宣言していたため混乱を起こしていました。

この事故では、整備をおざなりにしたネーションエアと出発を強行したマネージャーにありましたが、マネージャーは死亡しています。

さらにはタイヤの空気圧の数値が別の整備士によって書き換えられていたことも事故調査で発見されています。

当然のことですが、ネーションエアは倒産。この2120便の事故が最後のフライトとなってしまいました。

 

 事故のない空の旅を!

事故が起きた際、乗客として乗り込む我々には何ら対処のしようがありません。

ダイヤの乱れよりも、何より人の命に重きを置いて整備に手抜かりがないように願うことしかできないのがもどかしいですね。

2015年もアシアナ航空機や調布市での小型機の事故などがありました。海外に目を向ければもっと多くの事故が起こっています。

安心して空の旅が当たり前にできるようにするためにも、航空業界の皆さんの意識を定期的に正すことが必要なのかもしれませんね。

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